〜世界が恋する海と島を未来につなげたい〜
早わかり『座間味浄水場問題』
★9月24日(木)代表質問 2番:島尻忠明県議(自民党)
3番:仲宗根悟県議(平和)
★9月25日(金)代表質問 5番:平良昭一県議(おきなわ)
★9月29日(火)一般質問 3番:新垣淑豊県議(自民党)
★10月1日(木)一般質問 6番:翁長雄治県議(てぃーだ)
4会派5名の県議が『座間味浄水場問題』について質問します。
★7月16日(木)土木環境委員会の企業局陳情案件は16:50から始まり、『座間味浄水場問題』が審議されました。前回3月議会で高台へ見直す方向で後は企業局長の最終判断となっていたものを、今回また『阿真キャンプ場案』を持ち出し、場所の選定を村に任せるとした企業局のやり方に、党派を超えて県議のほぼ全員が厳しく追及。土木環境委員会与野党全会一致で、陳情採択されました!
★7月28日(火)本会議で委員長報告の後、「座間味浄水場は阿真キャンプ場ではなく高台へ」という陳情を、県議会が全会一致で可決しました!
★7月28日午後6時10分〜NHKの『おきなわHOTeye』で、特集として、『浄水場の問題に揺れる座間味島』が放送されました。
★8月10日午後6時15分〜RBCの『ザ・ニュース』で、特集『高台かキャンプ場か浄水場建設はどこへ?』が放送されました。
★新聞記事→【関連資料/マスコミ報道】のページをご覧ください。
村が8月11-17日に投票を予定していた『アンケート投票』は、候補地の情報や説明不足による住民の混乱や対立を危惧した村議や区長らが見直しを求めて村へ要望書を提出していました。8月7日の知事会見の直前に村内放送で中止が発表されました。
6月17-18日に、4回目となる浄水場住民説明会が、4地域に分けて開催されました。
★7月28日午後6時10分〜NHKの『おきなわHOTeye』で、特集として、『浄水場の問題に揺れる座間味島』が放送されました。
★8月10日午後6時15分〜RBCの『ザ・ニュース』で、特集『高台かキャンプ場か浄水場建設はどこへ?』が放送されました。
★新聞記事→【関連資料/マスコミ報道】のページをご覧ください。
A0. そんなことはないです。むしろ逆です。現在は、左図の水色が示す阿真キャンプ場の多目的広場の東手前(艇庫や炊事棟のライン)までが国が認可した「給水区域」です。多目的広場を含むそれより西側には水道を引くことができないため、水道を必要とする開発は実質できないのが現状です。しかし、そこに新たに浄水場が建設されれば、「給水区域」が西側に広がる可能性が高く、むしろ、その周辺での乱開発が進む可能性が高くなります。
【もっと詳しく】→ 2020年6月の第4回住民説明会の頃から今現在(高台への見直し決定後)もなお、島のお年寄りから「当初予定地の阿真キャンプ場の多目的広場に浄水場を造らなければ、その土地が島外業者に買われて、大きなリゾートホテルなどの乱開発が進むから心配だと、公的立場の人から言われたが、本当か?」という話をよく聞くようになりました。しかし、現在は、左図【座間味島の給水区域】の水色が示す部分が国から認可された「給水区域」で、その区域内のみが水道供給が可能となっています。人口の一番多い座間味集落の山手の島の真ん中に位置する高月山の現浄水場を中心とした給水状況で、東側の阿佐集落へも西側の阿真集落へも現在人が住んでいる所にバランスよく給水されています。区域外の供給は、浄水場との水圧などの関係で不可なので、水色の「給水区域」以外は、水道を引くことができないです。つまり、今現在、阿真キャンプ場の多目的広場から西側は、実質的に水道を必要とする開発はできないので、リゾートホテルなどの大きな開発もできないです。その地域に水道を引くために給水区域を拡大や変更するには、厚生労働省や県の許認可が必要(村は許可できない)です。もし、仮に新しい浄水場が島の西端の阿真キャンプ場内に建設され、許認可変更されれば、「給水区域」が西側に広がる可能性が高く、その周辺で給水できるようになって開発がやりやすくなり、むしろ、阿真キャンプ場内に浄水場を建設した方が乱開発が進む可能性が高くなるのです。
A1. 県議会で「津波被害のない高台へ建設すべき」という意見が多数あり、昨年1年間かけて高台の再調査が行われ、高台の『高月山C案』と当初予定地の『阿真キャンプ場(阿真ビーチ隣接地)案』の2案に絞られて、2020年6月に4回目の住民説明会が行われました。
【もっと詳しく】→ この問題は2年前(2018年6月)に表面化し、島の重要な自然の観光地である阿真キャンプ場での建設を避け、津波被害を受けない高台に浄水場を建設してほしいと、座間味村内の『座間味浄水場建設予定地の見直しを求める会』、『(一社)座間味ダイビング協会』、『(一社)座間味村ホエールウォッチング協会』、『座間味ウミガメ会』、『阿真区 ウミガメと里海を守る会』が、県議会へ建設場所の見直しを求める陳情を提出しています。本会議や土木環境委員会で審議されていく中で、当初予定地の『阿真キャンプ場』は津波被害リスクが甚大なことが分かり、県議から「津波被害のない高台へ建設すべき」という意見が多数あり、昨年、新たに3,100万円の予算をかけて高台候補地の再調査が行われました。その結果報告として2020年6月17-18日に説明会が行われ、高台4案の中から『高月山C案』と当初予定地の『阿真キャンプ場案』の2案に絞られて、長所短所の比較説明されたところです。ただ、この2年をかけて県議会で議論を重ねた結果、『阿真キャンプ場案』は自然や観光地の保護と津波被害のリスクがあるため、高台へ見直す方向へまとまっていたため、『阿真キャンプ場案』が残っていることに、「これまでの話し合いや再調査は何だったのか」と多くの住民や県議が思っています。
A2. 住民の多くは、津波被害がなく造成面積も最小限の『高月山C案』を高く評価し、ぜひそこで造ってほしいと願っています。
【もっと詳しく】→ 標高100mの高月山の中腹にある既存浄水場用地で計画される『高月山C案』は、簡単に言えば、現在の「既存浄水場を建て替える案」で、既存浄水場の敷地を少しだけ造成して施設と設備を最新にするものです。景観も今とほとんど変わらず、自然や観光への影響も少ない素晴らしい案で、企業局の最新の技術を集結させた努力と工夫が見られるありがたい案です。住民の多くは、津波被害がなく造成面積も最小限の『高月山C案』を高く評価し、ぜひそこで造ってほしいと願っています(造成面積は合計860㎡)。大津波が来ても浄水場が生き残るので、被災時もその後の復興にも心強い安心安全な浄水場案に、多くの県議たちも賛同しています。完成すれば、数十年と島の暮らしを支える大事な施設です。ぜひとも未来につながる浄水場、子や孫に胸を張って誇れる浄水場にしたいと住民はみな思っています。また同時に、『阿真キャンプ場案』では建ててほしくない、他の場所を見直してほしいという思いもあります。2018年11月に島民対象の「阿真キャンプ場案の見直しを求める」署名で、約600名の島民から未成年と村職員、教職員を除いた成人479名中278名(58%)、島内観光業者95事業所中76事業所(80%)が見直しを求めています。その後、阿真キャンプ場は甚大な津波リスクが判明し、『高月山C案』という造成最小限の素晴らしい案が提示されたため、支持はもっと広がっています。ぜひ、高台に建ててもらいしょう。
A3. 『阿真キャンプ場(阿真ビーチ隣接地)案』も調整池建設のため、同じくらい山を削ることになるので、高台案だけが山を削るということではありません。企業局や村からその説明がなかったので、一部の住民に勘違いや誤解が生じています。
【もっと詳しく】→ 『高月山C案』の場合、現在の浄水場の敷地を拡張する形で、550㎡、220㎡、90㎡の3カ所の計860㎡を造成します。『阿真キャンプ場案』の場合、「阿真チジ」という桜並木に囲まれた雑木林の中に「調整池(大きな水タンク)」を造るため、山を704㎡造成します。どちらも同じく国立公園法の「第3種特別地域」です。今回の説明会では、阿真チジ造成の詳しい説明や面積表示がなかったので、高台案だけが山を削ると勘違いした人もいたようですが、『阿真キャンプ場案』でも同じくらい山を削ります。「阿真チジ」に調整池が造られるのは、低地で造った綺麗な水を各家庭に届けるために、一旦近くの高台に貯める必要があるためで、これは災害時の備蓄にもなるそうです。『高月山C案』はそもそも高台なので、調整池は浄水場敷地内に建てられます。ちなみに『阿真キャンプ場案』だと、阿真チジの山704㎡に加え、キャンプ場内の草原3,800㎡も開発されます。
A4. 1つは「阿真キャンプ場と阿真ビーチ一帯の自然豊かな観光地を未来に守りたい」こと。もう1つは「甚大な津波被害を受ける」こと。さらにその場所に浄水場ができれば、その後も開発される可能性が高くなり、さらなる自然や観光地の消失が心配され、不特定多数の人が非日常的に過ごすキャンプ場に浄水場があるのは不適切であることなど、心配が尽きないからです。
【もっと詳しく】→ 何よりもまず、阿真キャンプ場と阿真ビーチの海域陸域一帯の自然が島の重要な観光資源であるため、それを守りたい、子や孫の未来に残したいという強い思いがあるからです。緑豊かな林でアカショウビンの歌声を聴きながら目覚め、草原にはヤツガシラなどの珍しい野鳥が飛来し、子どもたちも自由に駆け回り、夜には静寂の中でコノハズクや虫の合唱とホタルや満天の星空を楽しめ、白砂のビーチをグンバイヒルガオの緑の葉とピンクの花が彩り、浅い海ではウミガメと出会え、沖には色鮮やかなサンゴ礁が広がる。まさに「世界が恋する海」、世界の宝でもあると思っています。ここは島の観光業の礎となった場所で、数十年もの間、先人たちが島外からの開発の手を退け、守り抜いて来た土地です。しかし今回、この浄水場建設の話と同時に島外業者によるリゾート開発も始まり、この一帯が乱開発される引き金になるのではないかと住民は非常に心配しているのです。小さな島には平地が少なく、この広々とした草原は貴重な平地、いろんな可能性のある平地です。子や孫の島の未来に残していきたいと思っているのです。もう1つの問題は、甚大な津波被害を受ける場所だからです。阿真キャンプ場は、東日本大震災時のようなL2の場合、5.0〜10.0mもの津波が想定されていて、29億円かけて造られる新浄水場は飲み込まれてしまいます。今回の離島8村9島の水道広域化で、他の島はすべて津波被害のない高台に造られるのに、なぜ座間味島だけが低地なのか。国の指針でも「浄水場の更新時には、想定津波浸水地域外の高所を選定」と謳われています。小さな島ですが、年間10万人の観光客が訪れ、多い時には1日1000人が滞在します。予測のつく台風時は観光客を早めに帰して島民だけでしのげますが、予測のつかない地震や津波時は、観光客も一緒に被災することになるため、非常に心配です。子や孫の代にも安心安全であってほしいだけでなく、安心安全な観光地でもありたいのです。企業局は、津波対策として被災時の命をつなぐ分の水は備蓄するとしていますが、被災後、座間味島は浄水場から造り直さなければならなくなり、復旧も復興も他の島より随分と遅れることになります。また、命の水を造る大切な浄水場を守るため、将来的に、ビーチに防波堤や内海に消波ブロックが設置されたり、水の需要が高まれば、海水淡水化施設が増設され阿真ビーチから取水や排水される可能性など、そこに建てられると、今後、自然や観光地がさらに消失する心配がつきまといます。当初、排水を阿真ビーチにつながる川に放流する予定だった計画を、企業局は、阿真キャンプ場〜座間味港に約2kmもの排水菅を引っ張って座間味港内に放流する計画に努力変更してくれましたが、それでも住民は、キャンプ場内に建てること自体に様々な心配をしているのです。実際、既存浄水場の周囲では、原因不明の樹木の立ち枯れなども確認されており、自然災害等で浄水場が故障したり排水管が決壊すれば、薬品や排水が流れ出さないか不安ですし、『阿真キャンプ場案』は西側に河川が隣接しているので、もし薬品が流出すれば、その河川から海水浴場の阿真ビーチに流れ込むことになります。また、キャンプ場は不特定多数の観光客が国内外から、米軍からもたくさん訪れ、夜には酔っ払っている人も多いので、悪意があってもなくても、浄水場に何か投げ込まれたりしないかなど心配が尽きません。企業局は防犯もしっかりやるといいますが、その分、キャンプ場に似つかわしくない建物になると思います。この阿真キャンプ場一帯を守りたい。その熱い想いはたくさんの座間味ファンの方からも寄せられています。
また、阿真キャンプ場一帯は、適度に人が手を入れて利用しながら自然が守られてきた、言わば「里海」で、多目的広場も定期的に村の作業でおじぃおばぁが草刈りをして、広々として気持ちのいい草原が保たれてきた場所です。しかし、この浄水場問題が明るみになる半年前の2018年始め頃から、なぜか多目的広場と劇場型広場「ジャンジャン」につながる山岳遊歩道の草刈り作業が行われなくなり、この2年で外来植物モクマオウの若木などがあちこち出てきて荒地のようになってきています。遊歩道は通れなくなっているほどです。そして、さらにゴミまで持ってきて捨てられるようにもなりました。企業局は、住民説明会や県議会で、多目的広場のことを「使われていない場所と聞いた」「現地確認した時には雑木置き場だった」と説明しています。
しかし、実は、これまでの経緯の中で、企業局自らが、計画当初2016(H28)年までの候補地比較検討で、『阿真キャンプ場(阿真ビーチ隣接地)案』は「住民からの反発が予想され、合意形成は困難」「騒音や振動の影響が懸念」「景観を損ねる」ため「建設は現実的ではない」として、総合評価「×」にしていたのです。それが、2017(H29)年には、なぜか逆転して「○」となり、建設予定地に選定され、それ以降の比較検討の資料には、「住民合意形成が困難」等の課題が消えてなくなっています。
A5. 村は、阿真キャンプ場に新浄水場を造って、高月山の既存浄水場跡地は「災害拠点施設」にしたい、また、水質悪化が懸念される中、『高月山C案』では完成まで3年以上かかってしまうため、早期完成できる『阿真キャンプ場(阿真ビーチ隣接地)案』が良いとしています。しかし、水質改善の時期は『高月山C案』の方が早いのですが、それについての詳しい説明はありません。また、説明資料には建設費や動力費も表示しているため、一部住民に「費用のかかる『高月山C案』の方が水道料金が高くなる」という誤解も招いています。そもそも「広域化」なので、どちらの案でも水道料金は安くなり、同じです。
【もっと詳しく】→ 村は、高台の案の中では『高月山C案』がよいと認めています。しかし、今回の説明会で、住民には寝耳に水だったのですが、阿真キャンプ場に新浄水場を造って、高月山の既存浄水場跡地は「災害拠点施設」にしたいと村は説明したのです。既存浄水場は、3集落からアクセスができ、もし津波が来た場合、生き残った方々の1人でも多くの命を救うために、そこに避難施設や備蓄が必要で、既存浄水場を新しい浄水場にしたら、それができなくなってしまうと。住民からは「論点のすり替えじゃないか?」「その話はこの浄水場説明会の前に別で議論すべきだったのでは?」「避難場所は分散したり、高月山展望台の辺りに整備してもいいのでは」との意見が出ました。また村は、工期と水質の問題もあり、『阿真キャンプ場案』だと着工から1年半で浄水場が完成するのに対し、『高月山C案』は水運用しながらの難しい工事になるので3年以上かかり、現段階で水質の悪化が心配されていることを考えると、早期完成できる『阿真キャンプ場案』が良いとしただけで、水質改善のタイミングの詳しい説明はなく、一部の住民に「工期=水質改善」と勘違いを招いています。参加者にプロジェクターで説明された比較資料でも、『高月山C案』の「災害拠点施設の計画」や「水質や工期の問題」「建設費や動力費」の説明がありましたが、その一方で、残念ながら、『阿真キャンプ場案』についての「阿真キャンプ場の自然や観光地を守りたい」「浄水場は津波被害のない高台へ」と切実に求める住民の思いや、県議会土木環境委員会での県議の意見や方針は、表記されていませんでした。
A6. 確かに、トリハロメタンが基準値を上回ることがあるようですが、「水質が悪い」と感じる原因は、浄水場やろ過装置の老朽化の問題だけではないようです。海水淡水化施設由来の埋立地からの臭気や「髪がゴワゴワ」するといった硬い感じもあるかもしれません。「水質悪化が心配」という住民の意見に、企業局は「阿真キャンプ場案の方が工期が短く早く完成」と工期のみの説明しますが、実際の水質改善の時期は『高月山C案』の方が早いです。
【もっと詳しく】→ ダムの水質悪化が懸念され、それを中和させるために発生するトリハロメタンが基準値を超えているようです[トリハロメタン:大人が1日1ℓの水を70年間飲み続けて、10万人から100万人に1人の割合で発ガン性があるもの=企業局説明]。浄水場を建て替えてRO膜という新しいろ過装置にすればトリハロメタンは改善するようですが、「水質が悪い」と感じる原因はそれだけではないかもしれません。例えば、海水淡水化施設は、座間味港内の埋立地に掘った井戸から海水をくみ上げているため、「埋め立ての影響で臭気が発生することがある(沖縄県保健医療部)」との調査結果が出ていて、臭いについては海水淡水化施設の取水由来かもしれません。また一般的に、海水淡水化施設は、海水に含まれる3.5%の塩分を0.05%以下に下げるものなので、「髪がゴワゴワする」なども海水淡水化由来の可能性があります。また、断水対策の水タンクを備えている家庭も多いことから、水タンク内に汚れがないか再確認する必要もあるかもしれません。県保健医療部の調査では、トリハロメタンの原因に、既存浄水場の活性炭ろ過の「粒状活性炭がほとんど交換されていない」現状も報告されています。有人島3島を抱える小さな自治体である座間味村は人手不足や財政難が深刻で、土日もないような過度な労働や負担を強いられている現実もあります。その「島チャビ」を補うための今回の水道広域化だと思っていますので、一刻も早く企業局の高い技術で島の水を安全に管理してもらえることを期待しています。また、『高月山C案』は現浄水場の建て替えになるので、施設の撤去に伴い、まず最初に、海水淡水化施設の改良工事(機能増設または可搬型設置)が行われ、海水からたくさんの真水を造れるようにし、ダムの水はできるだけ使わないようにして、現浄水場の撤去工事が始まります。新浄水場が完成するまで、海淡施設を優先的に稼働して水を供給することになるので、着工後6ヶ月ほどで今より水質が良くなるのです。『阿真キャンプ場案』の場合は、着工後も今と同様にダムの水を使い続けるので、新浄水場が完成するまで水質は改善しません。『阿真キャンプ場案』で新浄水場の整備工事が終わるのは着工後1年2ヶ月、新浄水場が完成するのは着工後1年6ヶ月です。【★水質改善のタイミング・・・『高月山案』=着工後約6ヶ月 /『阿真キャンプ場案』=着工後1年2ヶ月〜1年6ヶ月
A7. そんなことはありません。建設地の最終決定権は企業局長にあり、県議会が納得するような民意を得られなければ建設費の予算も認められず、建設することはできません。
【もっと詳しく】→ 建設場所の最終的な決定権は、沖縄県の水道事業の責任者である企業局長にあります[県議会R2.3月議会の土木環境委員会で確認]。また、県議会で建設費の予算が認められなければ、建設することはできません。局長や県議の方たちが納得するような民意を得られなければ、村長の一存では建てられないのです。これまで村はずっと「県の事業だから村は関係ない」「企業局の意向に従う」というような発言を繰り返し、住民との対話をあまりしてきませんでした。それでその分、県議会での審議が一生懸命なされてきたのですが、ここにきて急に、企業局は村に決定を任せることにしたのです。村は「ゼロベースで考える。しかし、災害拠点施設や水質、工期を考えると、阿真キャンプ場の方がいい」と説明し、説明会に来た人だけにアンケートを配り、村が回収して意見を取りまとめて、村が建設場所を決めるというやり方に、参加者の多くが「この2年もの県議会での審議は何だったのか?」「不透明で不公平だ」として住民投票を要望しましたが、村は否定しました。ただ、決定する前には必ず住民説明会を開くと約束してくれましたので、引き続き、住民みんなが納得できる議論を続けていきたいと思っています。
← 説明会に参加した人にだけ配られたアンケート。「候補地の名前が分かりにくて、よく分からなかったから出さなかった」「無記名で、内容は公表しないというのは不透明だ」という声も聞かれました。
A8. いいえ、『高月山C案』でも災害拠点施設はできると思います。敷地の一部(管理棟や周辺の広場)は、新浄水場の建設に使われず残るので、そこを災害拠点に使うことができ、複合施設にできれば一石二鳥です。近くの高月山展望台付近には避難施設を造ることが可能な広場もあります。
【もっと詳しく】→ 『高月山C案』でも、高月山を災害拠点施設にすることはできると思います。既存浄水場の敷地内北側の2階建ての管理棟と周辺の広場は、新浄水場用地に使われずにそのまま残るので、災害時の拠点に使うことができます。そうすれば『高月山C案』は浄水場も備えた安心で頼もしい避難施設や備蓄庫になると思います。また、収容場所を増やしたければ、高月山展望台付近にも広場があるので、そこに避難施設を造ればコロナ対策の3密も避けた避難所整備ができます[日本医師会・新型コロナウイルス感染症時代の避難所マニュアル]。一方、『阿真キャンプ場案』の場合、既存浄水場は全部そっくりそのまま残ります。それを災害拠点施設にするには、村は建て替える予算はないので、今ある建物の躯体を活用するとの説明でした。具体的には、ダムからの原水を貯めている原水貯留槽(大きな丸い水タンク)をくり抜いてその中に寝泊まりできるようにするということですが、先例が見つかりませんので、そのようなことができるのか疑問もあります。すでに老朽化が進んだ建物をどう活用して維持していくのか、余計に毎年予算が必要になるのではないかと心配です。
A9. 影響はあります。騒音や振動、光害、広々とした草原の消滅で、夜の静寂なキャンプ場で楽しめる満天の星空や鳥の声に影響したり、産卵に上陸するウミガメがあきらめる原因になる心配があったり、世界を旅する珍しい渡り鳥や阿真ビーチでの水難時のドクターヘリが降り立つ場所がなくなってしまいます。また、将来的に防波堤や海水淡水化施設が造られる心配も尽きないです。
【もっと詳しく】→ 企業局が作った『座間味浄水場建設候補地の検討』(2016.5.17)という資料によると、阿真ビーチ近くに浄水場を建てた場合、「阿真ビーチやキャンプ場利用者への騒音や振動等の影響が懸念される」と書かれています。自然に囲まれたキャンプ場の夜はとても静寂で、木々の間でホタルが舞い、時折聞こえてくるリュウキュウコノハズクの歌声や虫の合唱を、満点の星空の下で楽しむことができます。静寂の中に聞こえる人工的な騒音や振動は、余計にうるさく感じるものです。人が寝静まった後に産卵に上陸してくるウミガメにとっても、騒音や振動が産卵をあきらめる原因になるかもしれないと心配しています。また、浄水場の水の安全を守るため、防犯用の人工灯も設置されるかもしれないので、星空や生きものへの光害も心配しています。浄水場予定地になっている広々とした多目的広場の草原は、珍しいヤツガシラや水辺のバレリーナと呼ばれるセイタカシギなど渡り鳥の中継地にもなっているほか、阿真ビーチで水難事故が起きた際のドクターヘリの発着場にもなっていて、広場がなくなれば、世界を旅する野鳥が羽を休めることも、阿真ビーチで溺れた人を早急に運ぶドクターヘリが降り立つこともできなくなるので、安心安全な自然の観光地が損なわれることになります。現在のキャンプ場には、艇庫や児童生徒交流センターなど観光施設しか建っていませんが、浄水場というライフラインが建ってしまうと、将来、防災計画が見直された時に、阿真ビーチに防波堤を造るなどの公共工事が行われる可能性もあります。今のところ企業局内の計画にはないということですが、県や国の防災を司る部署が人命や財産を守るために、今後、計画する可能性はないとは言えません。さらに、水の需要が高まれば、キャンプ場に海水淡水化施設が増設される心配もあり、その他、自然災害等で浄水場が故障して薬品などが流れ出さないか、キャンプ場は不特定多数の観光客が国内外から、米軍からもたくさん訪れ、夜には酔っ払っている人も多いので、悪意があってもなくても、浄水場に何か投げ込まれたりしないかなど心配が尽きません。
また、阿真キャンプ場一帯は、適度に人が手を入れて利用しながら自然が守られてきた、言わば「里海」で、多目的広場も定期的に村の作業でおじぃおばぁが草刈りをして、広々として気持ちのいい草原が保たれてきた場所です。しかし、この浄水場問題が明るみになる半年前の2018年始め頃から、なぜか多目的広場と劇場型広場「ジャンジャン」につながる山岳遊歩道の草刈り作業が行われなくなり、この2年で外来植物モクマオウの若木などがあちこち出てきて荒地のようになってきています。遊歩道は通れなくなっているほどです。そして、さらにゴミまで持ってきて捨てられるようにもなりました。企業局は説明会で、多目的広場のことを「使われていない場所と聞いた」「現地確認した時には雑木置き場だった」と説明しています。
A10. 『阿真キャンプ場(阿真ビーチ隣接地)案』の想定津波の最大浸水深は5.0m以上10.0m未満です。その場合、浄水場は飲み込まれ甚大な被害を受けます。企業局は「応急給水を確保するから大丈夫」「他島から機器を運んで早期復旧する」と説明しますが、広域的な大規模災害時にそれで大丈夫なのかとても不安です。浄水場自体が被災してしまうと、復旧や復興も確実に遅れることになります。
【もっと詳しく】→ 『阿真キャンプ場案』は5m以上の大きな津波に飲み込まれる可能性のある場所です。東日本大震災の教訓を元に作られた通称『津波法』で、各都道府県において津波浸水想定の設定が義務づけられており、厚生労働省の指針では「浄水場やポンプ所等の施設の更新を行う場合は、原則として想定津波浸水地域外の高所を選定する」ことになっています。しかし、阿真キャンプ場はその想定津波の最大浸水深5.0m以上10.0m未満。浄水場は甚大な被害を受けます。座間味島はほとんどの島民が観光業を営んでおり、多い時には1日1000人以上の観光客が宿泊します。予測のつく台風時には前もって観光客を本島へ避難させて島民だけで凌ぐことができますが、予測のつかない津波時には、観光客も一緒に被災する可能性が高く、大きな不安を抱えているのです。企業局は、「津波対策として、阿真チジに建てる調整池に640tの応急給水(被災から3日まで1人3ℓ、3日以降1人20ℓ)約27日分の水は確保するから大丈夫」と説明していますが、その後、浄水場が復旧しなければ水の無い状態が続き、住民は島から出ていかなければならなくなるかもしれません。その他の津波対策として「どの島でも汎用性のある機器を使用し、緊急時には他島から機器を運んで早期復旧ができるようにする」との説明も、津波が来れば同時に隣の島の港も道も被災するような広域的な大規模災害時にそんなことが本当に可能なのか、人口の少ない小さな島は後回しにされるのではないかとても不安です。命はつないでも、浄水場が復旧しなければ、家も宿もダイビングショップも復旧できないですし、集落と一緒に浄水場自体がなくなれば、復興も浄水場を造ることから始めることになるため、島民は島へ戻りたくても戻れなくなってしまいます。「安心安全な観光地」であるためにも、浄水場は津波被害のない「高月山案」で建ててもらうことが何よりも必要なのです。
A11. 今回、水道広域化される8村9島のうち、座間味島だけが津波被害を受ける低地に建設される予定で、他の8島すべて津波被害のない場所に浄水場や海水淡水化施設が建てられます。「他島と同じように、津波被害のない高台に建ててほしい」、住民の切実な願いです。
【もっと詳しく】→ 現在、沖縄本島周辺の離島8村9島で「水道広域化」が進められており、水道事業を各村から県企業局が引き継ぎ、より安心な水を安価に供給できるようになるありがたい事業です。その9つの島の中で、津波被害のない場所に浄水場や海水淡水化施設が建っていたり、今後、建てられるのは、渡嘉敷島、阿嘉島、渡名喜島、粟国島、伊平屋島、伊是名島、北大東島、南大東島の8島。つまり、座間味島以外の全ての離島は、津波被害のない場所に建てられるのです。同じ国立公園の渡嘉敷島では、建設場所が標高120mで第3種特別地域という座間味島と同じ課題があるのに建設が認められ、隣の阿嘉島も港から目立つ高台ですでに建設が進められているのに、なぜ座間味島だけが認められないのでしょうか。津波が来ても、他の島は浄水場が生き残り、そこから復旧作業できますが、座間味島は浄水場からまた造らなければならなくなり、復興はかなり遅れることになります。当然、観光地としても復興が遅れ、島へ帰れなくなる島民も出てくるかもしれません。今回の広域化事業で、沖縄本島並みの水道にはなると思いますが、隣の渡嘉敷島はじめ他の島とは大きな格差が出てくることになります。やっぱり「他の島と同じように津波被害のない高台に建ててほしい」「安心安全な観光地でありたい」というのが、住民の切実な願いです。
A12. 確かに、西海岸にある北谷浄水場も被害を受ける場所にあります。しかし、島自体が大きな沖縄本島に津波が来る場合、西海岸は被災しても、東海岸の石川浄水場は被災しない可能性が高いので、相互に水を供給できるよう、バックアップ対策が進められています。「リスクの分散」が考えられているのです。
【もっと詳しく】→ 北谷浄水場は「想定津波の最大浸水深2.0m以上5.0m未満」で、『阿真キャンプ場案』の「想定津波の最大浸水深5.0m以上10.0m未満」より被害は少ないですが、それでも津波被害を受ける場所です。しかし、沖縄本島に津波が来る場合、島が大きいので、西海岸の北谷浄水場が被災しても、東海岸の石川浄水場は被災しない可能性が高いので、そちらから水を供給することができます。つまり、緊急時に相互に供給し合えるよう、バックアップ対策が進められているのです。沖縄本島は低地でも島が大きいことを生かしての「リスクの分散」が考えられています。座間味島の場合、今ある海水淡水化施設も阿真キャンプ場と同じく「想定津波の最大浸水深5.0m以上10.0m未満」の座間味港内に建っていて、『阿真キャンプ場案』で浄水場を建てた場合は、どちらも南側に面した海辺の低地なので、同時に被災する可能性が高いです。「リスクを分散する」という意味でも、新浄水場は「高月山案」が最適です。
A13. 本当です。『阿真キャンプ場(阿真ビーチ隣接地)案』の建設予定地に隣接する「ジャンジャン」でトレーラーハウスのリゾート開発を始めた観光大使から、名誉毀損で裁判を起こされています。住民説明会でどんなに住民の多くが反対しても、企業局は『阿真キャンプ場案』の姿勢を崩さず強行されそうになったので、切羽詰まった井上が、多くの住民が抱いていた疑念を「なぜ皆が反対しているのにここまで阿真キャンプ場にこだわるのか?浄水場建設地の選定に、観光大使のリゾート開発の関係の有無があるのかどうか?」質問し、そのことで発言した井上と発言していない高松も相手取り提訴。相談した弁護士によると「不当な裁判でスラップ訴訟だ」とのこと。まくとぅそーけーの心でしっかりと戦っていきます。
【もっと詳しく】→ 住民が、そこには浄水場を造らないでほしいと願っているまさにその建設予定地の多目的広場にトレーラーハウスが置かれ、すぐ近くで違法な開発工事も行われたことから、住民の間で「浄水場建設とリゾート開発に対する疑念」は高まっていました。これから29億円もかけて大切な浄水場を建設する場所なので、企業局にはちゃんと調査して見直してほしいと、住民は切に願っていました。住民で力を合わせて代替地を探すなどして見直してもらうようがんばりましたが、2018年8月1日の第2回住民説明会でも、企業局は場所を見直さず、「阿真キャンプ場で建設を進める、今後、住民説明会はしない」と強行な姿勢で推し進めようとしました。そこで居ても立ってもいられなくなった井上が企業局の建設課長に「どうしてそこまで阿真キャンプ場にこだわるのか。浄水場建設場所の選定に、観光大使のリゾート開発が関係しているのかどうか、住民が不安に思っている疑念を明らかにしてほしい」ということを質問しました。その中の経緯の説明で「村管理の河川敷のユウナの大木を切ったり、県の保安林である海側の木を伐採したりして、違法なことをしている」と発言しました。それに対して開発業者から、発言した井上だけでなく発言していない高松までにも「刑事民事問わず法的手段を検討している」というような内容証明が、同年8月15日付、11月8日付、2019年3月5日付、4月5日付の4回届き、ついに2019年12月、「違法な伐採行為をした事実は存在しない。証拠をもってこれを主張立証されたい」と、うみまーるの2人を相手取り、名誉毀損の裁判を起こしてきたのです。住民説明会では、本人の企業名も氏名も出さず、ただ「観光大使」とだけ表現し(座間味村観光大使は少なくとも10数人存在)、企業局に対して「リゾート開発との関係の有無を確かめる質問」をしただけです。ましてや高松においては何の発言もしておらず、名誉毀損に当たるようなことをした覚えは一切ありません。このことは県議会でも問題となり、「県主催の住民説明会に参加して質問しただけで、さらに発言していない人も訴えられては、県民は怖くて説明会に参加できない」「当初予定地(阿真キャンプ場)に反対すると裁判を起こされるというようなことが起きるのは、非常に問題」と県議から追求があり、企業局にヒアリング調査等が求められました。裁判所から届いた訴状の中には、さらに、身に覚えのない怪文書のビラもうみまーるが島内の民家に投函したというぬれぎぬの内容もあり、相談した弁護士によると「まさに不当な裁判で、スラップ訴訟だ」とのこと。スラップ訴訟とは、社会的に地位のある人や企業といった「比較強者」が、一般市民などの「比較弱者」に対し、恫喝・発言封じなどの威圧的、報復的な目的で起こすもので、訴訟を起こしただけで、相手に金銭的、精神的負担を強いることができるとしています。確かに、その前段で届いた内容証明も、特に浄水場問題の動きが大変な時にちょうど届いたので、精神的にかなり追い詰められ、苦しめられました。そんな嫌がらせのようなスラップ訴訟には決して負けません。「まくとぅそーけーなんくるないさ」の心で、しっかりと戦っていきます。
座間味村は「観光立村」を標榜しています。
島の宝である自然や観光地を守り、安心安全な観光地になるよう、
住民はもちろん、
ぜひ、観光客の皆さん、座間味ファンの皆さんの声を、座間味村へ届けてください。
また、「だれひとり取り残さない」と公約を掲げたデニー知事なら、
こんな小さな島の住民の思いにも、ちゃんと向き合ってくれると信じています。
島の宝は、沖縄の宝。
ぜひ、住民、観光客、座間味ファンの皆さんの声を、デニー知事へ届けてください。
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